大乗非仏説論の無責任2021年07月12日 19:22

 仏教は、他の世界宗教と違って仏・目覚めた人・覚者、つまりは人間が説いた法です。
 地球(娑婆世界)では、釈迦です。
 因みに西方浄土世界では、阿弥陀仏になります。
 宇宙には、無数の世界がありますから、そこで法を悟り、衆生に説かれる仏もまた無数になります。
 現在すら無数ですから、無限の過去に遡れば、文字通り無数です。
 釈迦は、紀元前5世紀~6世紀の人間です。
 一般に、30歳成道、80歳入滅とあって、約50年間の説法となります。
 当時は、まだ、文字が不確定な状況の為、経典としては成立していません。弟子、聴衆を前にして説かれた教えは、そのまま暗誦されて伝えられました。
 釈迦が入滅されて、直ぐに、弟子の長老が中心となって暗誦された言葉の確認作業が行われました。
 アジャセ王が守護するなかでの、第1回仏典結集です。
 此の時の言語は、ほとんどがパーリー語とされています。
 ただし、まだ文字化はされていません。
 暗誦する弟子達を選定して、後に伝える役割と方法を決定したのでしょう。
 経と律の二つの部類で、完璧を期してなされたようです。
 勿論、直接的な証明は、20世紀、21世紀の学術を駆使しても不可能な事です。
 しかし、時をどんどん遡れば、文字が整備され、サンスクリット原典などが残されていますから、かなり鮮明に分かってきます。
 しかし、仏法は、東漸して、東アジア・中国、朝鮮、日本まで渉ってきます。
 インドシナ半島には、仏法の一部が、そして日本には大部分が伝えられます。
 今日の日本の仏教の形態をみれば、自ずと理解できます。
 残念な事は、発祥の地・インドでは、仏法は早々に廃れますから、おそらく、多くのサンスクリット原典が消失していったと思われます。
 逆に、幸いな事に、後にシルクロードと呼ばれる西域のオアシス国家に伝わった仏教は、紀元前後の後漢に入ってきます。
 そして、400年頃には、鳩摩羅什によって、後秦の姚興の庇護の下で、都・長安にて、約300巻の仏典の翻訳作業が行われます。
 主な経典は、『仏説阿弥陀経』1巻、『摩訶般若波羅蜜経』27巻(30巻)、『妙法蓮華経』8巻、『維摩経』3巻
 また、論蔵では、『大智度論』10巻、『中論』4巻 などとされています。
 さらに唐代には、玄奘が、629年に陸路でインドに向かい、巡礼や仏教研究を行って645年に経典657部や仏像などを持って帰還します。彼が生前に完成させた経典の翻訳の数は、経典群の中核とされる『大般若経』16部600巻(漢字にして約480万字)を含め76部1347巻(漢字にして約1100万字)に及ぶとされています。
 仏教、特に大乗経典とされる主要な仏典は、中国で漢訳されたのです。
 多くの仏教信者・僧侶が、西域から中国へ、また、中国から西域・インドへと渡り、仏法を伝えたのです。
 釈迦滅後、おそらく数百年の間は、多くのパーリー語、あるいはサンスクリット語の原典・写本が存在していたはずです。
 また、その間、数度の仏典結集が行われ、その精度を維持する作業が行われました。
 しかし、2500年以上も経た今日、現地に当時の原典を探し求める事は、その一端はつきとめる事はできたとしても、例えるなら「群盲象を撫ず」 の結果しか得られないでしょう。
 その結果を根拠にして、大乗非仏説などと声高に主張しても、空しく響くだけです。
 しかし、大乗非仏説論者の一番の誤りは、彼らの殆どが、学者・研究者ではあっても、仏法信者、あるいは、僧侶ではない事です。
 これまでに説明してきた古の仏典の結集の参加者は、信者であり僧侶です。
 また、経典を毎日読誦し、数多くの仏典を研鑽した僧侶です。
 我説や我見を述べれば、それが仏説に違背すると多くの者が見なせば、たちまち議論の渦が湧き上ったでしょう。
 2500年という長い年月、その様な議論の末に精査されて今日があるのです。
 大乗非仏説論は、この日本の、仏法に暗い多くの大衆を煽り、仏法から離れさせる魔の所業と思われます。
 あなたは、誰ですか?
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22世紀に向けた仏法流布・宗教運動のあり方を考えます。

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